「グローカル成長戦略」取りまとめ

昨年10月に経済産業大臣政務官を拝命して以来、経済産業省において、議員を座長とした「グローカル成長戦略研究会」を開催し、現場視察や有識者も交えた議論を行った結果、「地方の成長なくして、日本の成長なし」をスローガンとした「グローカル成長戦略」の取りまとめに至りました。
日本に蔓延する「人口制約下では成長できない」といった固定概念を打破することが重要な今、むしろ、人口減少の最前線で、人口規模が小さい地方こそが成長センターとなり、日本経済全体の成長をさらに加速するモデルを確立すべきであり、そのためにはどのような方策が必要かの検討を、経産省幹部と共に進めて参りました。その結果、
○ グローバルな世界市場とローカルな農林水産業を含む地方産業を繋ぎ、大都会を通さずに直結させ、(米シリコンバレーのように)地方を成長センターとすること。
○ キャッチアップ型からフロントランナー型の成長戦略への転換と、中堅・中小企業にこそ期待されるダイナミズムのある経営を促進すること。
を基本的な考え方として、
① 中小企業の製品輸出(技術力・経営力・人材)
② 農林水産物の輸出
③ インバウンドの取込み
の観点から諸施策を取りまとめ、「グローカル成長戦略」を策定しました。

即ち、地方が海外と直接繋がることで、そのメリットを直接享受し地方の成長に繋げることが重要です。また、キャッチアップの時代は終わり、フロントランナーとなった今、ビジネスにおいて何が成功するか分からない時代です。そのような時代には、金融論で言う「ダイバーシフィケーション (diversification)」、日本語では「多様化」、「リスク分散」こそが重要となります。(例えば、10個の卵(事業)を1つのバスケット(地域や分野)に入れておいては、その1つのバスケットが落ち込んだ場合、10個のすべての事業がダメになってしまいますが、10個の卵(事業)を分散(多地域・多分野)しておけば、1つが失敗しても他が生き残り成長することで、全体としての成長の可能性が高まります。)

成長戦略が大都市・大企業に偏りすぎ「リスク集中」になってしまった平成の反省に立ち、令和の新しい成長戦略として、地方そして中堅・中小企業に、より焦点を当てたのが「グローカル成長戦略」です。そのエッセンスは6月に閣議決定される政府全体の成長戦略に盛り込まれる方向です。今後も、「地方の成長なくして、日本の成長なし」との考えの下、本報告書の内容を、経済産業省そして政府の政策に結実してまいります。

<参考:経済産業省ホームページ>
「グローカル成長戦略」(「グローカル成長戦略研究会」報告書)を取りまとめました
※ こちらの資料をご参照ください。